陽ざし

文部科学大臣賞を受賞した作品です。

思いがけず、このような大きな栄誉を頂き、たいへん有難く恐縮しております。

 

この作品は、陽光の神々しさと清らかさ、陰にある神秘さ、

自然界の美しさを表現したいという想いで制作しました。

広くて白い色面は神々しく清らかな太陽の光が希望となって

降り注ぐイメージを染めました。

周りの青い部分は森の日陰に潜む神秘性を抽象的に表現しました。

全画面の中で1%程度に過ぎない小さな部分に描いた花弁は

自然界の美しさを象徴的に現わしています。

 

私は長年、「陽ざし」というテーマで日展等に出品する工芸美術作品を制作してまいりました。

作品制作にあたり、モットーとしているのは引き算の美学とでも言いましょうか

「シンプルな表現で最大の言葉を」との思いがありまして、

日々、研究、研鑽を続けてまいりました。

この作品では、少しはそれを形にできたような気がします。

これからも、まだ誰も見たことがない美しい作品を目指して

制作に励みたいと思っています。